1.7 囲碁の中心である日本の役割

中国で発生した囲碁ではあるけれども、現在ではなんといっても囲碁の中心が日本にあることは万人が認めることであろう。それ故にこの素晴しい囲碁を世界に宣伝できるのも日本である筈である。日本が中心となって囲碁を世界に広めることは日本の義務とあえて云っても差支えないであろう。その努力はやがて民族間の親善に大きく役立つに違いないし、世界の囲碁人口の増大はやがて囲碁の発展に大きな力となることも考えられる。このためにも国際的な囲碁ルールの確立は日本が主導的立場で行なわなければならない重要な問題と云えるだろう。
日本のプロ棋士は囲碁の一局、一局に名誉と生活がかかっている丈に手慣れたルールから新しいルールへの移行に大きな抵抗を感ずることは無理からぬこととは思う。然し日本が合理化されたルールを確立しなければ恐らく将来碁が国際化してきたとき、中国ルールが国際ルールとして公認されるかもしれない。
勿論それも結構なことではあるけれども、日本、中国ということでなしに“地を中心にしたルール”は大きな優れた点(但し合理化を前提)があるだけに、一日も早くルールの合理化と成文化を必要とするのではないだろうか。その過程として、アマチュア戦のみに試行することからスタートするのも一つの方法であろう。或いはもう一歩進んで専門家の限定した棋戦に適用することも考えられるだろう。そしてやがては国際囲碁大会にそのルールが適用されるようになれば囲碁は更に広まるに違いない。

目次 ルール試案
前項