5.3 仮終局 |
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ダメへの打着を無価値なものにするのは言換えればダメの数に無関係に一方が最初のパスを行えることである。台湾式の場合は奇数コのダメを残してパスを行えば損となるから最初のパスの行使は偶数コのダメのときに行わなければならず、しかも(n1-n2)の項が計算結果に影響があるため双方ともに最初のパス権の行使を行うことを争うことになる。 これに対して地とハマを得点とする場合は(3)の式より明らかな如く、手止り以後の着手は(N1-n1)の項で+1点に補償されているから、自己の地内への打着は±1点であり、得点の増加にはならないがダメへの打着が1点となる。従って奇数コのダメにて手止りとなっては、手止り後の先着者が得をすることになる。 従って最初のパスをダメの個数に無関係で行うことができ、しかも以後の打着が得点となる時点これを仮終局と名づけるが、この仮終局の決定が一方のパスの次の着手者にその決定権がなければならない。ここにパス連続により仮終局のルールの理由がある。 こうすれば、もし最初のパスが偶数コのダメを残して行われれば、相手は次の着手をパスとすれば偶数コのダメを残して仮終局となる。又もしパスをせず、ダメへ打着すれば一方は次の着手をパスせずにダメへ打着して奇数コのダメで仮終局となることがない。 又最初のパスが奇数コのダメを残して行われた場合は相手はパスをして仮終局とするのは損であるからダメへ打着すればよい。 従って如何なる場合も連続2回のパスの2回目のパスを行う方が偶数ダメを残したときに行うことの決定権があるのである。 故に“地とハマ”による計算のルールの場合には台湾式ルールの如く一方のパスのみによって打着の継続を行えず、この仮終局ルールを設定する必要があるわけである。しかしこれによって仮終局前のダメへの打着は何等得点にならないようになるのである。 台湾式の場合も又この仮終局によるルールの場合も前半から後半への移行が偶数ダメを残して行われることは同じであることに注目する必要がある。 故に台湾式で打着して、最初のパスが正しく行使されれば、相手はパスを行って仮終局としてよい筈である。そして打着を継続すれば、終局後台湾式の計算方法を使用するも“地とハマ”による計算を行うも結果は同じものとなることは重要である。 パス2回仮終局ルールでの最初のパスは必ずしも台湾式ルールの最初のパスと一致しないことに注意する必要がある。 これで、台湾式ルールに仮終局ルールの導入と仮終局後の手数を加えるか或は仮終局後の同数着手規定を加えれば“地とハマ”による計算が行えることが理解されるであろう。 故に既に提案した地とハマによる新提案は前半から後半への移行の手段が異なるけれども本質的には台湾式ルールと完全に一致するのである。 |