6.3 手入れ問題例(2)

第6-6図は2段劫の手入れ問題である。黒49の後白はaに手入れが必要かという問題である。劫材の数如何では逆に黒からa、bと劫を取られて白が死となる場合もあり得る。

第6-6図の場合は現行の日本棋院囲碁規約では明確ではないようである。劫材ということがルール上完全に規定されていないことによる。先ず台湾式ルールでどうなるかを調べてみよう。
白52SPACEパス
黒53SPACE9-九
白54SPACE6-二
黒55SPACE9-七
白56SPACE6-四
黒57SPACE6-三
白58SPACE9-八
黒59SPACE8-九
白60SPACE6-九
黒61SPACE9-七
白62SPACE3-八
黒63SPACE3-九
白64SPACE9-八SPACE劫トリ
黒65SPACE9-一
白66SPACE7-八
黒67SPACE2-九
白68SPACE6-七
黒69SPACEパス
白70SPACEパス
終局
となり、結果は黒得点39、白42、手止り1/2ルールにより白4目勝となる。これは第6-6-1図の黒51の後白はa、bに手入れをしないで終局した結果と一致することを確かめられたい。

IMAGES IMAGES IMAGES
第6-6-1図 第6-6-2図 第6-6-3図

新ルール案IIによると第6-6-4図の如くなる
白52SPACEパス
黒53SPACE9-九
白64SPACE9-八SPACE劫トリ
黒65
白66
黒67SPACEパス
白68SPACEパス
仮終局
黒69
白70
黒71SPACEパス
白72SPACEパス
終局
以上にて結果は白4目勝となり、台湾式と一致する。

IMAGES IMAGES
第6-6-4図 第6-6-5図

第6-7図第6-6図のaの点に白石がない場合であるが、この場合には最後の劫材の関係で白は52で7-八に劫を取って終局したのと同じ結果になる。従って台湾式では1/2目ルールが適用されず、白3目勝となる。また新ルールIIにおいても白が7-八に1手手入れをしたことになり、やはり白3目勝ちとなる。

IMAGES
第6-7図

目次 ルール試案
前項 次項