6.12 島田の例題

第6-17-1図は島田氏の「囲碁の数理」の中に示された例題であり、島田氏の試案ルールによれば、黒4目勝となるものであるが、大変面白いものであるので、これを新ルール試案I及びIIによって、どのような結果になるかを示そう。

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第6-17-1図

黒白50手づづ打着して第6-17-1図になったものとする。黒パス、白パスで仮終局となり以下の打着を示せば次の如くになる。

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第6-17-2図
7SPACE1- 一劫トリ
9SPACE2-十一
10SPACE2- 一劫トリ
第6-17-3図
16SPACE劫トリ

黒1SPACE1-一
白2SPACE6-七
黒3SPACE4-一
白4SPACE2-一
黒5SPACE9-一
白6SPACE11-四
黒7SPACE1-一劫トリ
白8SPACE4-十一
黒9SPACE2-十一
白10SPACE2-一劫トリ
黒11SPACE10-二
白12SPACE10-一
黒13SPACE劫トリ
白14SPACE5-十一
黒15SPACE7-十一
白16SPACE劫トリ
黒17SPACE11-二
白18SPACE4-二
黒19SPACE3-十一
白20SPACE9-一
黒21SPACE1-十一
SPACEパス
SPACEパス(P不要)

終局


ハマ
15+14=29
12+16=28

黒1目勝
新ルール案IIでは、終局のときの活石の定義のため、白22以後第6-17-4図の如く白22、黒23、25を打着して置く必要がある。
白22
黒23
白24
黒25
白26SPACEパス
黒27SPACEパス(P不要)
終局

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第6-17-4図

このときは新ルール案IIでは、終局のとき右上のセキ石で仮終局後に打着された石は得点より差引くため、白は3点、黒は2点を引く必要がある。従って黒は2目勝となる。
日本の慣習法のセキの地域は一方ダメを得点としないために作った新ルール案IIでは、上例の如く、何か人為的であって感心しない。猶ルールの研究家のために一言触れておくが、島田氏の試案では6.6に示したトラズ三目を含むセキの場合に、若干疑問が生ずる。新ルール案IIによれば納得のゆく結果になる。

目次 ルール試案
前項