2 日本ルールーの欠陥

2.1 歴史的な慣習

日本の地とハマを中心としたルールには大変良い面があるかわりに、色々の不自然な点や合理性を欠く点がある。しかもそれらは徳川時代からの慣習として認めてきたものであるだけに、それを改善することには大きな抵抗がある。従ってそれを認めようとすれば更に色々の珍形が出現する可能性があり、それに対しては日本棋院の判例によって解決するか、もし判例にない場合には、日本棋院の審査会が判決することになる。(判決するにもルールが不完全であるから理論的には不可能であるが)
今回はそれ等の問題となる点を示しながら、それを現在のルールではどの様に解決しているか、その解決或は約束がどうして合理性に欠けるかを解説することにしよう。
それ等の例をしらべるとき、次の7項目に注意する必要がある。
(1) 石の、死活・セキ、が規定し得るか。(簡単で厳密に)
(2) セキが規定し得たものとして、それに附随する地域は一方ダメ(片方のみから打着する価値のあるダメ)をどう見るか。
(3) 交互着手をどう解決するか。(権利とみるか、権利であると同時に義務とみるか)
(4) パスの規定を如何にするか。((3)項と関連)
(5) 手入れの規定を規定し得るか。(簡単で厳密に)
(6) 終局をどのように規定するか。
(7) 劫(無限循環になる形)の規定をより一般化する必要性。
以上の項目は夫々互いに関連があるのであるが、それは色々の例から次第に解決されるだろう。

目次 ルール試案
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