2.3.6 三劫、循環劫、長生(2) |
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又一般によく知られている長生というのがある。これは第2-16図に示したものであるが、これも無限循環になるものである。 |
第2-16-1図 | 第2-16-2図 |
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第2-16-3図 |
以上の如き無限循環になる形が出現した場合に双方がゆずらない場合には無勝負にすることになっている。勿論これ等の面白い形が出現したとき、無勝負にすることは、ルールとして不合理或は矛盾があるものではないけれども、何らかの手段(ルール)によって、無限循環をくい止める方法があれば都合がよい。すなわち劫のルールを少しく一般化することによって無勝負になることが避けられることはルールとして好ましいと云うべきであろう。この問題(劫のルールの一般化)は中国式のルールでも全く共通の問題である。但し先に述べた如く、最後に於ける手入れの問題が劫の規定と関連することに注意する必要があろう。 この様に循環する形は、必ず反復の周期がある。従って、その周期ごとに劫ダテを打着することにすれば解決される。これに対して次の表現が大変わかり易い。即ち如何なる打着もその局に出現した形と同形にならないこととすれば、普通の劫も、これらの無限循環の問題も極めてきれいに解決される。しかも循環形の出発点が明確になる。 同形再現禁止という表現は青木氏(?)が相当昔に提案された表現であるとのことであるが、これは極めて優れた表現であり、私は碁の最も基本的なルールとしてこの条項を重視したい。 あるルール研究家が無限循環に入らない循環は許されるといったルールを主張しているのもあるが、“無限循環に入らない循環”などと云う表現は論理的に無意味であり、この如き表現はルールの表現には絶対に入れるべきものではない。 |