4.5 台湾式ルールの完全性 |
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以上の如く、中国式ルールに於いての先着の効の喪失した時点の存在に注目して(中国式に於いても実戦上はこれをもって合意の終局として直ちに計算に入ることができる)しかもその判断をパスという行為のみによって規定したことは、極めて自然であり、しかも黒の先着という非対称性をその実質的な終局のところでとらえることによって±1/2の補正を行うことは、一見不自然のように思われるのであるが極めて合理的なものと云うことができる。 私は“地とハマ”を中心とするルールをつくるべく新ルール案を提示したのであるけれども、この台湾式の最初のパスの直前の手を手止りとすることのよって、両者が完全に論理的に同等のものであることを証明し得たために、新ルール案であろうと台湾式であろうとその差を論議する必要がなくなったのである。台湾式ルールと新ルール案が成文化ではまったく異るように見えるので、実戦上には大きな相違があるように思われるけれども全く差異のないことを確められたい。 私は従って、地とハマの計算に慣れている日本人にとっては“新ルール案”を、又中国式に慣れている中国人には“台湾式ルール”を推奨したい。 そのようにすれば、実質的に完全に同じルールの上に立って碁をプレイすることとなって、極めて便利でもありかつルール上のまぎれがないからである。 台湾式ルールを別表に示すが、定義1〜5、ルール1〜5、8は中国式ルールと共通であり、ルール6の終局ルールと、ルール7の得点ルールのみが異なるだけである。 |