6.8 万年劫(1)

第6-13-1図の形を万年劫といっているが、この形は一般には対局の途中で解決されることが多いのであるが、終局直前まで存在すると日本式ルールでは問題を生ずる。

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第6-13-1図

現在の日本棋院囲碁規約では、一方が劫を取り、それをツギ、セキの形にして終局とすると規定されている。
第6-13-2図については、日本棋院囲碁規約に従えば黒1目勝であることを確かめられたい。
中国式ルールII、台湾式、及び新ルール案Iによると逆に白1目勝となる。

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第6-13-2図
黒53SPACEパス
白54SPACE1-九
黒55SPACE6-二
白56SPACE1-八
黒57SPACE7-四
終局
台湾式
白1目勝
SPACE
慣習法
黒1目勝
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黒53SPACEパス
白54SPACEパス
仮終局
黒55SPACE6一二
白56SPACE1一九
黒57SPACE7一四
白58SPACE1一八
黒59SPACEパス
白60SPACEパス
終局
SPACE
新ルール案I
白1目勝

台湾式
黒53SPACEパス(手止り指定)
白54SPACE1-九
黒55SPACE6-二
白56SPACE1-八
黒57SPACE7-四
白58SPACEパス
黒59SPACEパス
終局
白得点SPACE40
黒得点SPACE39
白1目勝
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新ルール案I
黒53SPACEパス
白54SPACEパス
仮終局
黒55SPACE6-二
白56SPACE1-九
黒57SPACE7-四
白58SPACE1-八
黒59SPACEパス
白60SPACEパス
終局
白得点=13-1=12
黒得点=12-1=11
白1目勝
台湾式も新ルール案も、手止り指定パス又は仮終局後に万年劫の部分の半劫トリを行ってツグものとすれば、慣習法より2目得となる。ここにも慣習法の不合理さを示すことに注目すべきであろう。

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第6-13-3図 第6-13-4図

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